このシリーズは「どうすれば自分らしく働けるか」をテーマに、働き方を人間の心理、会社の仕組み、自分の人生への活かし方から考えるシリーズです。
シリーズ全体はこちら:
どうすれば自分らしく働けるか
「自分らしく働けてない気がする。」
そう思ったことはありますか?
もしそう思ったら、どうすれば解決できるのでしょうか?
- 会社を辞めればいいのか
- 転職すればいいのか
- 副業を始めればいいのか
- 独立すればいいのか
もちろん、それらが必要な場合もあります。
ですが、自分らしく働くことは、必ずしも会社を辞めることではありません。
- 会社員として働きながら、自分らしく働いている人もいる
- 大企業で働きながら、自分の価値観に合った仕事をしている人もいる
- 逆に、転職しても、独立しても、自分らしく働けないと感じることもある
大切なのは、働き方の形だけではありません。
- 自分が何を大切にしたいのか
- 何に違和感があるのか
- 何が満たされていないのか
- どこまでなら会社の中で調整できるのか
- どこからは会社の外にも選択肢を作る必要があるのか
そこを見極めることです。
このシリーズでは、ここまで2つの記事で「自分らしく働くこと」について考えてきました。
1本目では、なぜ人は自分らしく働けないと感じるのかを、人間の心理から考えました。
2本目では、なぜ会社では自分らしさが見えにくくなるのかを、会社という仕組みから考えました。
この記事では、その続きとして、どうすれば自分らしく働けるのかを考えていきます。
結論から言えば、自分らしく働くためには、いきなり理想の働き方を探す前に、まず原因を見極めることが大切です。
自分らしく働けない原因が違えば、必要な対策も変わります。
- 価値観が合っていないのか
- 裁量がないのか
- 強みを活かせていないのか
- 意味が見えないのか
- 関係性が悪いのか
- 生活が壊れているのか
それぞれ原因が違うなら、向き合い方も変わります。
自分らしく働けない要因をもう一度整理する
まず、自分らしく働く感覚をもう一度整理します。
1本目の記事では、自分らしく働く感覚を次のように考えました。
自分らしく働く感覚
= 価値観
× 裁量
× 強み
× 意味
× 関係性
× 生活
× その他の要因
もちろん、これは厳密な数式ではありません。
自分らしく働く感覚を分解するための、ひとつの見取り図です。
- 価値観:価値観に合っているか
- 裁量:自分で考え、工夫できる余地があるか
- 強み:自分の強みを活かせているか
- 意味:仕事の意味を感じられているか
- 関係性:人との関係の中で尊重されているか
- 生活:生活や心身が壊れていないか
こうした要素がある程度つながっているとき、人は「自分らしく働けている」と感じやすくなります。
逆に、どれか一つでも大きく欠けると、自分らしく働く感覚は弱くなりやすいのです。
そして2本目の記事では、会社という仕組みがこの感覚を見えにくくする理由を考えました。
- 会社には目的がある
- 役割がある
- 分業がある
- 管理がある
- 評価制度がある
- 成長を求める力がある
それらは、会社にとって必要な仕組みです。
ですが、その仕組みが強くなりすぎると、自分らしく働くための要素は見えにくくなります。
- 価値観は、会社の目的に吸収されやすい
- 裁量は、ルールや承認で狭まりやすい
- 強みは、役割や配置に埋もれやすい
- 意味は、分業やKPIで見えにくくなりやすい
- 関係性は、評価や序列で歪みやすい
- 生活は、成長圧力や納期で後回しになりやすい
だからこそ、自分らしく働くためには、ただ「もっと頑張る」だけでは足りません。
まず、自分がどこで苦しくなっているのかを見極める必要があります。
対策は「自分」「会社の中」「会社の外」に分けて考える

自分らしく働けないと感じたとき、いきなり答えを出そうとすると苦しくなります。
- この会社を辞めるべきなのか
- 転職するべきなのか
- 独立するべきなのか
- 我慢するべきなのか
そう考えると、選択肢が急に大きく見えます。
ですが、最初から大きな決断をする必要はありません。
対策は、3つのレイヤーに分けて考えると整理しやすくなります。
自分らしく働くための3つのレイヤー
1. 自分の内側を整える
2. 会社の中で調整する
3. 会社の外に選択肢を作る
まず、自分の内側で整えられることがあります。
- 自分が何を大切にしたいのかを言葉にする
- 会社の評価と自分の価値を分ける
- 役割と人格を分ける
- 何に違和感があるのかを整理する
- 自分の強みを知る
- 生活の限界を把握する
これは、自分だけで始められる部分です。
次に、会社の中で調整できることがあります。
- 上司に相談する
- 仕事の進め方を変える
- 担当業務を少し変える
- 異動を希望する
- 裁量を増やせるように提案する。
- 強みを活かせる仕事を取りに行く。
- 業務量や納期を相談する
これは、今いる環境の中でできることです。
そして、会社の外に選択肢を作る必要がある場合もあります。
- 社外の人と話す
- 転職市場を知る
- 副業を小さく試す
- 学び直す
- 発信する。
- 貯金を作る。
- 資格やスキルを積む。
- 相談先を持つ
これは、今の会社だけに人生を預けすぎないための準備です。
大切なのは、いきなり会社を辞めることではありません。
- 自分で変えられること
- 会社の中で調整できること
- 会社の外に作るべき選択肢
この3つを分けて考えることです。
1. 価値観が合っていない場合
まず、価値観が合っていない場合です。
価値観とは、自分が何を大切にしたいのかということです。
たとえば、働くうえで大切にしたいものは人によって違います。
- 安定した生活
- 高い収入
- 成長できる環境
- 人の役に立つ実感
- 家族との時間
- 自由な働き方
- 専門性を高めること
- 社会に意味のある仕事
- 仲間と一緒に働くこと
- 大きな組織で成果を出すこと
どれが正解という話ではありません。
- 安定を大切にする人もいる
- 挑戦を大切にする人もいる
- お金を大切にする人もいる
- 時間の自由を大切にする人もいる
- 社会貢献を大切にする人もいる
問題は、自分が本当は大切にしていないものを、大切にしているふりをして働き続けることです。
- 本当は家族との時間を大切にしたいのに、長時間労働を続けている
- 本当は専門性を深めたいのに、興味のない調整業務ばかりしている
- 本当は自分の考えを発信したいのに、組織の空気に合わせ続けている
- 本当は安定を大切にしたいのに、「挑戦しないといけない」という空気に焦っている
こうしたズレが続くと、仕事をしていても、自分の人生を生きている感覚は薄くなります。
ⅰ) 自分の内側でできること
まず、自分が何を大切にしたいのかを言葉にすることです。
いきなり「理想の仕事」を考える必要はありません。
最初は、問いを置いてみるだけで十分です。
- どんな瞬間に、自分らしく働けていると感じるか
- どんな瞬間に、自分を失っていると感じるか
- 仕事で譲れないものは何か
- 逆に、そこまで大切ではないものは何か
- 安定、収入、自由、成長、貢献、関係性の中で、今の自分が重視したいものは何か
価値観は、頭の中だけで考えていても見えにくいものです。
- 書き出す
- 人に話す
- 過去の経験を振り返る
- 違和感があった出来事をメモする
そうすることで、少しずつ見えてきます。
ⅱ) 会社の中で調整できること
次に、今の会社の中で、自分の価値観と重なる部分がないかを探します。
今の仕事がすべて合わないように見えても、一部には重なる場所があるかもしれません。
- 人の役に立つ実感がほしいなら、顧客に近い仕事に関われないか
- 専門性を高めたいなら、学べる業務やプロジェクトに入れないか
- 裁量がほしいなら、小さな改善提案から任せてもらえないか。
- 社会的な意味を感じたいなら、自分の仕事がどこにつながっているのか確認できないか
すぐに大きく変える必要はありません。
まずは、今の環境の中で少し近づける場所を探す。
それだけでも、働き方の見え方が変わることがあります。
ⅲ) 会社の外に作る選択肢
それでも価値観のズレが大きい場合は、会社の外に目を向ける必要があります。
すぐに辞めるという意味ではありません。
- 価値観に合う業界を調べる
- 別の職種を知る
- 社外の人に話を聞く
- 副業や発信で小さく試す。
- 学び直す
- 転職市場を見てみる
自分の価値観に合う働き方が、今の会社の中だけにあるとは限りません。
外の世界を見ることで、今の会社で続けるにしても、別の選択肢が見えるようになります。
価値観のズレは、気合いだけでは埋まりません。
まず、自分が何を大切にしたいのかを知ること
↓
そのうえで、今の会社の中で近づけるか
↓
難しければ、会社の外にも選択肢を作ること
この順番で考えると、少し整理しやすくなります。
2. 裁量がない場合
次に、裁量がない場合です。
裁量とは、自分で考え、選び、工夫できる余地のことです。
会社で働く以上、完全な自由はありません。
- 会社の方針がある
- 上司の判断がある
- 顧客の要望がある
- 予算や納期がある
- 法律や社内規程もある
ですが、その中でも、自分で考えられる余地があるかどうかは大きいのです。
- やり方を工夫できる
- 自分の意見を言える
- 判断に参加できる
- 仕事の進め方を調整できる。
- 自分なりに改善できる
こうした余地があると、人は「自分で働いている」という感覚を持ちやすくなります。
一方で、裁量がほとんどないと、自分らしく働く感覚は弱くなります。
- 何をするか決められない
- どう進めるかも決められない
- 意見を言っても反映されない
- ただ指示をこなすだけになる
- 承認が多すぎて、動くたびに止まる。
- 自分の判断が入り込む余地がない
この状態が続くと、自分が仕事をしているというより、仕事に動かされているように感じやすくなります。
ⅰ) 自分の内側でできること
まず、どこに裁量がほしいのかを整理します。
裁量がないと感じるとき、すべてが不自由に見えることがあります。
ですが、よく見ると、不自由な場所には種類があります。
- 何をやるか決められない
- やり方を決められない
- 優先順位を決められない
- スケジュールを決められない
- 誰と進めるか決められない
- 改善提案が通らない
- 意見を言う場がない
どの裁量が足りないのかによって、対策は変わります。
「裁量がない」とまとめるのではなく、「どの部分の裁量がないのか」まで分解することが大切です。
ⅱ) 会社の中で調整できること
裁量は、いきなり大きく得るものではないことがあります。
小さな信頼を積み重ねて、少しずつ広げていくものでもあります。
たとえば、次のような方法があります。
- 小さな改善提案を出す
- 自分で進め方を考えたうえで相談する
- 任せてもらえる範囲を確認する
- 優先順位を上司とすり合わせる
- 期限や進め方に選択肢を出す
- 結果を出して、次の裁量につなげる
裁量がほしいときは、「自由にやらせてください」だけでは通りにくいことがあります。
会社側から見ると、自由にはリスクもあるからです。
そのため、
- ここまでは自分で考えて進める
- ここは相談す
- この範囲なら任せてほし
- 結果はこう報告する
という形で、会社側の不安を下げながら裁量を広げることが現実的です。
ⅲ) 会社の外に作る選択肢
それでも会社の中で裁量が得られない場合は、会社の外に裁量を持てる場を作ることも大切です。
たとえば、
- 副業
- ブログ
- SNSでの発信
- 勉強会
- 個人プロジェクト
- 資格学習
- ポートフォリオ作成
- 社外コミュニティ
会社の中では裁量が小さくても、会社の外では自分で決められることがあります。
- 自分でテーマを決める
- 自分で学ぶ
- 自分で発信する
- 自分で改善する
- 自分で試す
そうした経験は、自分で働いている感覚を取り戻す助けになります。
裁量は、自分らしく働く感覚に大きく関わります。
- 今の会社の中で広げられるか?
- 難しければ、会社の外で小さく作れないか?
この視点を持つだけでも、働き方の見え方は変わります。
3. 強みを活かせていない場合
次に、強みを活かせていない場合です。
強みとは、特別な才能だけを指すわけではありません。
- 人より少し楽にできること
- 自然と考えてしまうこと
- 周囲からよく頼まれること
- やっていて時間を忘れやすいこと
- 努力が成果につながりやすいこと
- 人に喜ばれやすいこと
そうしたものも、強みです。
仕事では、苦手なこともしなければなりません。
好きなことだけをやっていればよいわけではありません。
ですが、自分の強みがほとんど活かされない働き方は、長期的には苦しくなりやすいのです。
- 努力しているのに、成果が出にくい
- 頑張っているのに、疲れるばかり
- 自分の持ち味が出ていない
- 周囲と同じようにやろうとして、消耗している
こうした状態が続くと、自分らしく働く感覚は弱くなります。
ⅰ) 自分の内側でできること
まず、自分の強みを棚卸しします。
強みは、自分では当たり前すぎて気づきにくいことがあります。
そのため、過去の経験から振り返るのが良いです。
- 人からよく頼まれることは何か
- 周囲より苦なくできることは何か
- やっていて時間を忘れやすいことは何か
- どんな仕事で感謝されたことがあるか
- どんな場面で成果が出やすかったか
- どんなことを考えるのが好きか
- 逆に、どんな仕事で極端に消耗するか
強みは、資格や職種名だけではありません。
- 人の話を整理すること
- 複雑な物事を構造化すること
- 初対面の人と話すこと
- 丁寧に確認すること
- 仕組みを改善すること
- 文章で伝えること
- 場を調整すること
- リスクに気づくこと
こうしたものも立派な強みです。
ⅱ) 会社の中で調整できること
自分の強みが見えてきたら、今の会社の中でそれを活かせる場所がないかを探します。
今の役割の中でも、少し強みを使える部分があるかもしれません。
- 文章が得意なら、資料作成やナレッジ整理を引き受ける
- 調整が得意なら、会議運営や関係者調整に関わる
- 構造化が得意なら、業務改善や企画に関わる
- 人に教えるのが得意なら、育成や勉強会に関わる
- 分析が得意なら、データ整理や課題分析に関わる
また、上司に伝えることも大切です。
- 自分は何が得意なのか?
- どんな仕事で成果を出しやすいのか?
- どんな業務に関わりたいのか?
会社は、本人が何を得意としているのかを意外と知りません。
言葉にしなければ、役割や配置だけで判断されることもあります。
ⅲ) 会社の外に作る選択肢
会社の中で強みを活かす場所がない場合は、会社の外で試すこともできます。
- 副業で試す
- ブログで発信する
- SNSで発信する
- 勉強会に参加する
- 小さな制作物を作る
- ポートフォリオを作る
- 社外の人に相談する
- 転職市場で自分の強みがどう見られるか調べる
強みは、実際に使ってみることで見えてきます。
頭の中で考えているだけでは、自分の強みはわかりにくいのです。
- 小さく使ってみる
- 反応を見る
- 続けられるか確かめる
- 成果につながるか見る
その積み重ねで、自分の強みは少しずつ形になります。
4. 意味が見えない場合
次に、仕事の意味が見えない場合です。
仕事の意味とは、立派な使命感だけを指すわけではありません。
社会を変えるような仕事でなければならない、という話でもありません。
- 自分の仕事が、何につながっているのか?
- 誰の役に立っているのか?
- なぜこの仕事をする必要があるのか?
- 自分の働きが、どこに届いているのか?
それが少しでも見えると、仕事には意味が生まれます。
逆に、意味が見えないと、仕事はただの作業になりやすくなります。
- 毎日資料を作る
- 会議に出る
- 数字を追う
- 報告する
- 承認を取る
- メールを返す
それ自体は必要な仕事かもしれません。
ですが、その仕事が何につながっているのかが見えないと、人は空っぽになりやすいのです。
「これは何のためにやっているのだろう?」
そう感じることが増えていきます。
ⅰ) 自分の内側でできること
まず、自分が何に意味を感じやすいのかを考えます。
意味を感じる対象は、人によって違います。
- 顧客の役に立つこと
- 社会課題に関わること
- チームを支えること
- 自分の成長につながること
- 家族の生活を支えること
- 技術や専門性を高めること
- 誰かの不安を減らすこと
- 良い仕組みを作ること
- 次の人が楽になるように整えること
意味は、外から与えられるだけのものではありません。
自分がどこに意味を感じるのかを知ることも大切です。
ⅱ) 会社の中で調整できること
意味が見えない場合は、仕事の全体像を見にいくことが役立ちます。
たとえば、
- 顧客の声を聞く
- 自分の仕事の先にいる人を知る
- 上司に業務の目的を確認する
- その仕事が事業のどこにつながるか聞く
- 関係部署の仕事を知る
- 成果物がどう使われているか確認する
分業が進むと、自分の仕事は全体から切り離されやすくなります。
だからこそ、意識的に全体像を見に行く必要があります。
自分の仕事がどこにつながっているのかが見えるだけで、同じ作業の意味が変わることがあります。
ⅲ) 会社の外に作る選択肢
会社の中で意味を見つけにくい場合は、会社の外で意味を作ることもできます。
- 学び直す
- 発信する
- ボランティアに参加する
- 副業をする
- 専門分野を深める
- 自分が関心のあるテーマを調べる
- 誰かの役に立つ小さな活動をする
仕事だけに意味を求めすぎると、苦しくなることがあります。
もちろん、仕事に意味を感じられるのは素晴らしいことです。
ですが、人生の意味をすべて会社に預ける必要はありません。
会社の仕事で意味を感じにくい時期でも、会社の外で学びや発信や人との関わりを持つことで、自分の人生とのつながりを取り戻せることがあります。
5. 関係性が悪い場合
次に、関係性が悪い場合です。
仕事は、ほとんどの場合、ひとりでは完結しません。
- 上司
- 同僚
- 部下
- 顧客
- 取引先
- 他部署
人との関係の中で、仕事は進んでいきます。
だからこそ、関係性が悪いと、自分らしさは出しにくくなります。
- 意見を言うと否定される
- 失敗を責められる
- 相談しにくい
- 常に監視されているように感じる
- 役割や数字だけで見られる
- 人間として尊重されていないように感じる
こうした環境では、自分の考えや強みを出すことが難しくなります。
ⅰ) 自分の内側でできること
まず、何が苦しいのかを分けて考えます。
関係性が悪いと感じるとき、その原因はいくつかあります。
- 相手との相性が悪い
- コミュニケーションの量が足りない
- 評価される立場が苦しい
- 相談できる人がいない
- 失敗を責められる
- 仕事の進め方が合わない
- ハラスメントに近い状態がある
- 自分が過度に相手の評価を気にしている
すべてを自分の責任にする必要はありません。
- 相手の問題もある
- 組織の問題もある
- 評価制度の問題もある
- 自分の受け止め方の問題もある(かもしれません)
大切なのは、原因を混ぜないことです。
- 相手の問題と、自分の問題を分ける
- 仕事上の指摘と、人格否定を分ける
- 一時的なすれ違いと、継続的な攻撃を分ける
ここを分けるだけでも、自分を責めすぎずに済みます。
ⅱ) 会社の中で調整できること
会社の中でできることもあります。
- 信頼できる人に相談する
- 上司に相談する
- 人事に相談する
- 業務上の関わり方を変える
- 連絡手段を変える
- 役割分担を明確にする
- 会話の記録を残す
- 距離を取る
- 異動を検討する
関係性の問題は、ひとりで抱え込むほど苦しくなります。
特に、相手からの言動が強い場合や、心身に影響が出ている場合は、早めに相談することが大切です。
努力すれば関係は必ず良くなる、とは限りません。
関係性の問題は、自分の努力だけで解決できるものではないからです。
ⅲ) 会社の外に作る選択肢
社外の人間関係も、自分を守る力になります。
会社の中の人間関係だけが世界のすべてになると、視野が狭くなります。
- その会社で評価されない
- その上司とうまくいかない
- その部署で居場所がない
それだけで、自分には価値がないように感じてしまうことがあります。
ですが、会社の外には別の人間関係があります。
- 友人
- 家族
- 社外の知人
- 勉強会
- コミュニティ
- キャリア相談
- カウンセラー
- 公的な相談窓口
- 医療機関
社外の視点を持つことで、会社の中の価値観を相対化できます。
特に、関係性が深刻に悪い場合は、我慢だけで解決しようとしないことが大切です。
- 距離を取る
- 相談する
- 記録を残す
- 必要なら環境を変える
自分を守るためには、それも大切な選択肢です。
6. 生活が壊れている場合
最後に、生活が壊れている場合です。
これは、最も優先度が高い要因です。
どれだけ価値観に合っていても、どれだけ意味を感じていても、生活が壊れる働き方は長く続きません。
- 睡眠が足りない
- 体調が悪い
- 家族との時間が取れない
- 休む余裕がない
- 趣味や運動の時間がない
- 常に仕事のことを考えている
- 心が休まらない
こうした状態が続くと、人は少しずつ削られていきます。
- やりがいがあっても、体力には限界がある
- 意味を感じていても、睡眠不足は積み重なる
- 成長していても、心の余白がなくなれば苦しくなる
仕事が好きでも、限界はあるのです。
ⅰ) 自分の内側でできること
まず、自分の限界のサインを把握します。
- 朝起きられない
- 眠れない
- 食欲がない
- 休日も仕事のことが頭から離れない
- 小さなことで涙が出る
- 怒りっぽくなる
- 集中できない
- 何も楽しくない
- 人に会う気力がない
- 体調不良が続く
こうしたサインが出ているときは、自己分析より先に回復が必要です。
自分らしく働くためには、まず自分が働ける状態である必要があります。
- 生活が壊れているときは、価値観を考える前に、休むこと
- 強みを探す前に、眠ること
- 意味を探す前に、心身を回復させること
それが先です。
ⅱ) 会社の中で調整できること
会社の中で、業務量や働き方を調整できる場合もあります。
- 業務量を相談する
- 優先順位を確認する
- 納期を調整する
- 担当範囲を見直す
- 一部の仕事を手放す
- 休暇を取る
- 休職を相談する
- 産業医や人事に相談する
責任感が強い人ほど、限界を迎えても言い出せないことがあります。
- 自分が頑張ればいい
- 周りに迷惑をかけたくない
- 評価を落としたくない
- 弱いと思われたくない
そう感じるかもしれません。
ですが、生活が壊れてしまえば、働き続けること自体が難しくなります。
相談することは、責任を放棄することではありません。
長く働くために、必要な調整をすることが長期的な目線で見れば大事なのです。
ⅲ) 会社の外に作る選択肢
会社の中で調整しても改善しない場合は、会社の外の選択肢も考える必要があります。
- 医療機関に相談する
- カウンセリングを受ける
- 公的な相談窓口を使う
- 家族や友人に状況を話す
- 休職を検討する
- 転職を検討する
- 生活費を見直す
- 貯金を作る
- 働き方そのものを見直す
ここで大切なのは、無理を美徳にしすぎないことです。
限界を超えて働き続けることは、必ずしも立派なことではありません。
- 心身を壊さないこと
- 生活を守ること
- 回復すること
それも、自分らしく働くための大切な一部です。
自分らしく働くことは、いきなり理想に飛ぶことではない

ここまで、要因ごとに対策を見てきました。
- 価値観が合っていない場合
- 裁量がない場合
- 強みを活かせていない場合
- 意味が見えない場合
- 関係性が悪い場合
- 生活が壊れている場合
それぞれ、必要な対策は違います。
そのため、自分らしく働けないと感じたときに、いきなり「転職するべきか」「辞めるべきか」と考えなくてもよいのです。
- まず、何が満たされていないのかを見る
- そして、次の3つに分けて考える
1. 自分の内側で整えられること
2. 会社の中で調整できること
3. 会社の外に選択肢を作ること
最初は漠然と悩んでいることも、分けて考えることで見えてくることがあります。
ですが、すぐに自分の理想の働き方を見つけることは難しいでしょう。
「自分の気持ちを振り返って、行動する。」
その積み重ねが、自分らしく働くことにつながっていくのだと思います。
私の場合:相談し、書きながら、自分の働き方を探している

ここまで、自分らしく働くためには、原因を見極めることが大切だと書いてきました。
「このブログを書いてるあなたはどうなんだ?」
せっかくの機会なので、私についても少し触れたいと思います。
私の場合、自分の働き方について考えるとき、一人だけで抱え込まないようにしています。
- 友人に話す
- AIに壁打ちする
- 転職エージェントに相談する
- そして、このブログで考えたことを言葉にする
それぞれに、違う良さがあります。
友人は、私自身の性格や過去のことを知っています。
そのため、自分では気づきにくい癖や、本当は大切にしていそうなものを指摘してくれることがあります。
AIは、かなり自由に壁打ちできます。
まだまとまっていない考えでも、遠慮なく投げられる。
何度も整理し直せる。
自分の考えを構造化するうえで、とても役に立っています。
転職エージェントは、外の世界を知るための窓になります。
- 自分の経験が市場でどう見られるのか?
- どんな選択肢があるのか?
- 今の会社の外にはどんな働き方があるのか?
そうしたことを、プロの視点から教えてくれます。
そして、このVeritas Labも、私にとって大きな意味を持っています。
このブログは、私が自分らしく働くための実験でもあります。
- 複雑な物事を調べる
- 構造を読み解く
- 読者に伝わるように整理する
- 必要であれば、式のような形にしてわかりやすくする
その過程で、自分が何に興味を持ち、何に喜びを感じるのかが少しずつ見えてきます。
たとえば、私にとっては、物事を構造化してわかりやすくすることが強みのひとつなのだと思います。
- このブログでは、強みをかなり自由に使えます
- テーマを選ぶ裁量もある
- どう書くかを決める裁量もある
- 何を学ぶかを決める裁量もある
そして、意味もあります。
- 私が調べ、考え、書いたことが、あなたの「自分らしく生きる」ための手がかりになったら嬉しい
- 少しでも、自分の人生を自分の手に取り戻すきっかけになったら嬉しい
そう思っています。
もちろん、ブログだけで理想の働き方がすぐに完成するわけではありません。
- 収入の問題もある
- 続ける難しさもある
- 読んでくれる人に届くまでには時間もかかる
それでも、私にとってこのブログは、自分らしく働くための選択肢を作る行動のひとつです。
- 自分の価値観を言葉にする
- 自分の強みを試す
- 会社の外に裁量のある場所を作る
- 誰かに届く意味を探す
そういう意味で、Veritas Labを書くこと自体が、私にとって「自分らしく働く」ことに近づく小さな実践なのだと思います。
まとめ
自分らしく働くには、まず原因を見極めることが大切です。
自分らしく働けないと感じるとき、その背景にはいくつかの要素があります。
自分らしく働く感覚
= 価値観
× 裁量
× 強み
× 意味
× 関係性
× 生活
× その他の要因
- 価値観が合っていないのか?
- 裁量がないのか?
- 強みを活かせていないのか?
- 意味が見えないのか?
- 関係性が悪いのか?
- 生活が壊れているのか?
原因が違えば、必要な対策も変わります。
だからこそ、対策は3つに分けて考えると整理しやすくなります。
1. 自分の内側を整える
2. 会社の中で調整する
3. 会社の外に選択肢を作る
この3つを行き来しながら、自分らしい働き方に少しずつ近づいていく。
それが現実的な道だと思います。
自分らしく働くことは、会社を辞めることではありません。
会社にすべてを合わせることでもありません。
会社で働くにしても、転職するにしても、副業するにしても、独立するにしても、
大切なのは、自分が納得して選んでいる感覚です。
- 自分が何を大切にしたいのか?
- どこに違和感があるのか?
- どこまで会社の中で調整できるのか?
- どこから会社の外に選択肢を作る必要があるのか?
そこを少しずつ見ていくことで、働き方は自分の手に戻ってきます。
自分らしく働くとは、最初から完璧な答えを持つことではありません。
自分の価値観を知り、会社の仕組みを知り、そのうえで自分の働き方を少しずつ選び直していくこと。
それが、自分らしく働くための第一歩なのだと思います。
この記事が、あなたが自分の働き方を考えるきっかけになれば嬉しいです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
このシリーズで考えてきたこと
このシリーズで考えてきたこと
このシリーズでは、「どうすれば自分らしく働けるのか」をテーマに、3つの記事で働き方を考えてきました。
1本目では、人が自分らしく働けないと感じる理由を、人間の心理から整理しました。

2本目では、会社という仕組みが、なぜ自分らしさを見えにくくするのかを考えました。

そしてこの記事では、心理と仕組みを知ったうえで、どうすれば自分らしく働けるのかを考えました。
自分らしく働くために大切なのは、いきなり理想の働き方に飛ぶことではありません。
- 自分らしく働けない原因を見極めること
- 自分の内側を整えること
- 会社の中で調整できることを試すこと
- 会社の外にも選択肢を作ること
その積み重ねが、働き方を少しずつ自分の手に取り戻すことにつながっていくのだと思います。
シリーズ全体はこちら:
どうすれば自分らしく働けるか

参考書籍
この記事では、自分らしく働くために、価値観、裁量、強み、意味、関係性、生活という要素から働き方を考えました。
さらに深く考えたい方には、以下の本も参考になります。
※一部リンクにはアフィリエイトを利用しています。
あなたの負担が増えることはありません。
いただいた収益は、ブログ運営や書籍購入などの学習費に充てています。
モチベーション3.0|ダニエル・ピンク
自分らしく働くことを考えるうえで、参考になる一冊です。
この本では、人が長く前向きに働くためには、報酬や罰だけでなく、自律性、熟達、目的が重要だと整理されています。
この記事で扱った「裁量」「強み」「意味」という要素と近く、自分がどんなときに前向きに働けるのかを考える手がかりになります。
LIFE DESIGN|ビル・バーネット、デイヴ・エヴァンス
働き方や人生を、一度きりの正解探しではなく、少しずつ試しながら設計していくための本です。
自分らしく働くことは、いきなり完璧な答えを見つけることではありません。
自分に合う働き方を仮説として考え、小さく試しながら、自分の価値観や納得感を確かめていく。
そうした考え方を学びたい方に向いています。
この記事で紹介した本以外にも、Veritas Labで参考にしている本をテーマ別にまとめています。

